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2016.08.23
【コラム】内藤忍氏/ 国内の金利低下で恩恵を受ける海外不動産投資
日銀の金融緩和が続き、短期金利から長期金利まで低下しています。この状態は、国内の金融機関の経営に大きなマイナス要因となっています。マイナス金利になっているからと言って預金者に金利の支払いを要求することはできませんから、預金金利はほとんどゼロというレベルで張り付いたままになっています。
一方で、貸出に関しては企業の資金需要は弱く、また大企業からの金利引き下げの要請が強まっています。結果として、貸出から預金の金利を差し引いた利ざやによる収益は縮小傾向になってしまうのです。
この金融機関の運用難は、東京よりも地方に行くとさらに強くなります。地方の信用金庫の中には預貸率と呼ばれる、預金の中で貸し出しに回される比率が10%を切っているケースもあるそうです。10億円の預金を預かっても9億円以上の貸出先が見つからず、REITや債券のような、マーケットリスクのある商品で運用せざると得ない状況になっています。
国内の貸出は、金融機関の競争が激しくなってきており、最近は、地方銀行が東京に支店を出して、積極的に不動産投資ローンなどを融資する動きがあります。ある地方銀行は不動産担保ローンに1%以下の金利で融資を行っているという話を聞きます。また、信用金庫の中には、担保となる不動産の法定耐用年数を超えた融資期間で資金を貸し付けるといった積極的な融資先開拓をしているところもあります。
今後、国内の金融機関貸付は貸し手がさらに競争を激化させ、融資金利は低下していくことが予想されます。金融機関にとっては国内融資も収益性が落ちてきてしまう懸念があるということです。
そこで注目されているのが、海外の不動産投資に対する融資です。既に日本政策投資銀行が、海外不動産投資ではなく海外事業展開資金として、海外不動産の購入に対するファイナンスを行っています。ただしこちらは誰でも簡単に借りられるものではなく、国内での不動産事業を行っていて、海外展開に関する事業計画書などがしっかりと出来ていることが条件です。
また、円で調達したものを外貨で活用することになりますから、為替リスクが発生します。円高が急速に進むことがあれば、為替差損が発生します。
それ以外の海外不動産の資金調達方法としては、一部の銀行が実施しているフリーローンを使った借入や、国内不動産を担保にした不動産投資貸付などが選択肢になります。ただし、前者は借入金利が4~5%程度とかなり高く、収益性を考えればあまり積極的に利用できるものではありません。後者は、国内にまとまった不動産を保有していることが前提になりますし、顧客を絞って営業しているということで、誰でも利用できるものではありません。
しかし、今後はこの海外不動産の購入に対するファイナンスに、国内の運用難に陥っている地方金融機関が参入してくる可能性があると考えています。
不動産投資の醍醐味は、投資物件の選択だけではなく、借入の方法によってもその事業としての収益が大きく変わってくることです。例え同じ物件に投資をしていても、借入金利が1%変わればその収益は異なるものになってきます。
金融機関の融資姿勢は、ダイナミックに変化しています。先月までのルールが今月から変更になっているといったことは良くあることですから、最新の金融機関の融資情報を得られるようにしておくことは、これから海外不動産投資を行う上で成功要因の1つになると思います。
自分で実際にやってみないとわからないのが不動産投資の世界です。情報収集も重要ですが具体的に行動してみると、新しい世界が見えてきます。私自身も国内のファイナンスを利用した海外不動産投資をこれからも継続していこうと思っています。その中で得られた最新の情報を投資家の皆さまにフィードバックしていこうと考えています。
※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。
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投稿更新日:2016年08月23日