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2016.05.17
【コラム】アメリカの不動産市場が高い流動性と透明性を持つ理由とは?

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アメリカの透明度は世界トップランク

アメリカの不動産取引では、必ず売り手と買い手に異なる不動産仲介業者がつきます。そして、買い手と売り手それぞれにとって有利となるような交渉が不動産仲介業者間で行われるため、取り引きのプロセスの透明度が高まります。売り手や買い手をごまかそうとした取り引きは行われないのです。

さらに、「エスクロー」という仕組みにより取り引きの安全性も担保されています。エスクローとは、売り手と買い手の間にエスクロー会社(第三者)が入ることにより、代金の支払いを安全に行う仕組みです。これにより、代金を支払ったのに物件が手に入らないといったことはおきません。そのため、安心して海外からアメリカへ投資を行うこともできる仕組みとなっています。

また、アメリカでは不動産取引情報ツールが充実しています。例えば、MLS(マルチプル・リスティング・サービス)という不動産業者向けのサイトがあります。これは、アメリカのほとんどの不動産業者が加入しているサイトで、不動産業者が持つ物件情報を掲載することで他の不動産業者と幅広く共有し、不動産取引を円滑に行えるようにしています(一般の人は見ることができません)。しかも、売買価格だけではなく、過去の売買履歴や修繕履歴なども確認できるため、適正な価格かどうかを判断する指標ともなりえます。

一方、一般の方も見ることができるサイトにZillowがあります。このサイトでは、売却した場合のおおよその目安や、購入希望地域ではいくらぐらいするのかといったことがある程度分かるようになっています。

特にMLSは情報量が多く、日々アップデートがなされるため、情報の信ぴょう性は高いといえます。こうした仕組みが透明性を高め、アメリカの不動産市場規模を世界トップランクへと押し上げた所以でしょう。

このほか、流動性という観点でもアメリカは優れています。中古住宅販売は年間でおよそ600万件。それに対して、新築住宅販売はおよそ年間平均140万件程度と圧倒的に中古住宅の流通度合いが高くなっています。日本では新築住宅着工が年間平均120万戸ほど、それに対して中古販売は15万戸ほどしかありません。つまり、アメリカでは中古住宅市場の規模が大きく流動性が高いのです。

これは、米国人はライフスタイルに合わせて住む家をかえることや、リフォームがしっかりされていれば中古住宅でも値崩れしにくいことも背景にあると考えられます。

日本の不動産市場を盛り上げるには透明化・流動性の改善が必要

このように、アメリカでは豊富な情報量が取引の透明性を高め、その結果、不動産市場に高い流動性につながっています。日本の不動産市場がアメリカのように活性化するためには、空き家も含めた中古住宅市場の情報の提供に努めることが求められます。こうした観点からいえば、今後は「不動産テック」が重要となってくるものと想定されます。

不動産テックとは、不動産取引のビジネスとITをかけあわせたサービスです。すなわち、ITを活用して消費者と不動産業者の情報格差をなくすことを目指しつつ、情報サイトをもとに不動産取引のネット化も進んでいくのではないかと思われます。こうした取り組みは、情報格差の是正に大きく貢献することでしょう。そして、取り引きの透明性は手数料が下がるといった恩恵をももたらす可能性があります。

日本では、こうした取り組みはまだまだ始まったばかりです。アメリカのように活性化するかどうかは、今後の市場の整備がどうなるかによって決まるといえます。

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投稿更新日:2016年05月17日