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2016.05.12
【コラム】ノンリコースローンとは? 海外不動産投資をする際の注意点

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海外の不動産購入を検討するにあたって、海外の不動産は現金で購入しなければいけないかといえば、そんなことはありません。日本の不動産投資と同じように、現金一括払いでの購入のほか、不動産投資ローンを活用して購入することもできます。では、海外の場合、不動産投資に使えるローンにはどのようなものがあるのでしょうか。

国や地域にもよりますが、大都市などの物件であれば、まずはHSBC(香港上海銀行)など日本にも進出している大手金融機関のローンを活用する方法が考えられます。また、その物件が存在する地域の金融機関でも資金を借りることは可能でしょう。

通常のローンのほか、中には売り主が買い主に融資を行うといったローンも存在します。この場合、返済は金利部分のみ行い、物件を売却するときに元本を返済する仕組みです。

こうしたローンがある中で、一般的には金融機関から資金を借りることで、海外不動産投資を始める方が多いことでしょう。ただし、日本とは異なり、海外では「ノンリコースローン」という仕組みを活用してローンを組むケースも多くなっています。

ノンリコースローンの仕組みとメリット・デメリット

日本における一般的な不動産投資ローンは「リコースローン」と呼ばれるものです。これは、債務者がローンの支払いができなくなった場合には、担保となる不動産の売却が行われます。この売却資金がローンの返済に充てられるわけですが、もし売却資金よりもローン残高の方が多い場合には、債務者は残ったローンの支払いを行わなければなりません。つまり、借金だけが残るといった事態が発生しうるのです。

その一方でノンリコースローンでは、借金だけが残るということはありません。仮に返済が困難となった場合には、リコースローンと同様に担保である不動産の売却資金が返済に充てられることになりますが、それ以上の返済は求められません。したがって、担保以上の責任を負わなくてもよいというメリットがあります。

こうしたメリットが投資家にあるということは、裏を返せば貸し出しを行う金融機関にとってはリスクが高まることになります。そのため、ノンリコースローンを利用する場合には、物件に対する評価をはじめ、融資の審査が厳しくなると想定されます。自己資金を多く入れなければならないといったこともあるでしょう。

また、一般的にノンリコースローンを利用する場合には、通常のローンに比べて金利が上乗せされることが多いでしょう。つまり、審査が厳しくなるおそれがあること、金利の負担が大きくなる可能性があること、この2点がノンリコースローンの主なデメリットといえます。

ノンリコースローンを組めない場合も

さて、このノンリコースローンですが、海外不動産投資であればどこでも利用できるというわけではありません。たとえば米国の場合、州によってはノンリコースローンを組むことができません。投資を検討している物件でノンリコースローンが利用できるかどうかは事前に確認が必要です。

また、投資用物件では融資審査が厳しくなることもあり、どの物件でもノンリコースローンを組めるというわけではありません。場合によっては担保価値評価があまり高くなされず、ノンリコースローンが組めないといったこともあるかもしれません。

さらに、ローン契約書の確認も行っておきましょう。米国のローン契約書には、融資がノンリコースローンであると記載されていない場合が多く、また、「物件の売却時には全額返済」と記載されている場合もあります。つまり、完全なノンリコースローンとなっていないケースがあるのです。

ノンリコースローンによる海外不動産投資を検討される際には、上記のような注意点があることを踏まえたうえで物件探しを行い、余裕を持って返済できることを前提とした資金計画を練ることが重要といえます。

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投稿更新日:2016年05月12日