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2022.10.07
【コラム】ニューヨーク不動産マーケットレポート(2022年10月版)
※本コラムは、ニューヨーク提携企業「Blue Pacific Capital」の池田将洋氏から寄稿していただいた原稿を基に構成しています。
【池田将洋(いけだ まさひろ)】
「Blue Pacific Capital」プリンシパル。大学時代サッカーで日本一になり、自身もプロを目指す。サッカー引退後は日本リクルート社に入社して、不動産業界を担当。リクルート退社後、ニューヨークに渡米、不動産会社に入社。2年目でトップ営業になり、自身でもパートナーシップでニューヨークに不動産ビルを所有。その後、ニューヨーク不動産投資仲介を手掛ける「Blue Pacific Capital」を設立し、現在に至る。
急激に上昇する米住宅ローン金利
9月のアメリカ不動産市場において最も注目が集まったのは、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの動向でした。9月21~22日にかけて開かれた会合では、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を、それまでの2.25~2.5%から0.75ポイント引き上げ、3.00~3.25%とすることが決定されました。
これを受けて、各銀行の住宅ローン金利は6%台後半にまで上昇。これは前年の同時期(約3%)と比べて2倍の住宅ローン金利となります。
歴史的に見ると、金利と不動産価格には大きな関連性があります。金利が上がると借り入れ可能額が減少するため、その結果として不動産価格も連動して抑制される傾向にあるからです。
ここで気になるのは、「昨今の利上げを受けてニューヨークの不動産価格は下がるのか?」という点だと思います。私自身の考えとしては、アメリカ全体で見ればある程度の価格下落は避けられないものの、ニューヨークに関して言えば影響は軽微なものにとどまり、利上げ環境下でも不動産価格は底堅く推移するのではないかと見ています。
なぜそう考えるのかを示す前に、まずはコロナ禍におけるアメリカの不動産価格の変動状況を見ていきたいと思います。
過熱感の薄いニューヨーク不動産市場
新型コロナウイルスの流行が本格的に始まった2020年3月以降、全米の住宅価格はわずか2年ほどで約40%上昇(出所:米S&P/ケース・シラー住宅価格指数)しています。これだけの異常な価格上昇を見せた大きな理由は、コロナ禍での経済支援を目的とした各国の空前のばらまき政策でしょう。
ただ、こうした価格上昇には地域差がかなり見られています。ニューヨークを見てみると、同時期の住宅価格上昇率は約16%(出所:米大手不動産ポータルサイトZillow)に抑えられており、コロナ前の価格上昇トレンド通りの健全なレベルの動きにとどまっています。
一方、コロナ禍で特に値上がりが目立ったフロリダ州タンパ(約66%上昇)、アリゾナ州フェニックス(約63%上昇)、フロリダ州マイアミ(約50%上昇)を見てみると、コロナ禍入り後にそれまでの価格トレンドとは明らかに逸脱した異常な上昇を示しています。
このように、ニュースのヘッドラインとなるアメリカ全体をまとめた価格データや、メディアで取り上げられやすい過熱地域の価格データだけを見て、「アメリカ不動産=バブル」と安易に結論付けてしまうのは非常にもったいないと思います。
ニューヨークなど4都市の住宅価格推移
(出所:Zillow)
内部収益が大きく改善するニューヨーク不動産
ここからは、直近のニューヨークの不動産環境によりフォーカスして見ていきたいと思います。今年に入ってニューヨークでは、居住用不動産の賃料が大幅に上昇しています。8月のマンハッタンの家賃は、前年同月比で平均28%上昇の5,246ドル(約78.6万円)、中央値でも26%上昇の4,100ドルとなりました。これはコロナ以前の2020年2月の平均値4,385ドルと比べて約20%の上昇、中央値3,500ドルと比べても14%上昇した水準となります。
一方、オフィス市場を見てみると、春先に38%だったオフィス稼働率は、9月のレイバーデーの連休以降、50%近くまで回復してきています。完全リモートワークで働く人の割合も、4月の28%から足元では16%にまで低下しており、それに伴いマンハッタンの路面店舗の収益も回復してきています。
コロナ禍ではミックスユースビル(店舗と住宅の混合ビル)は、店舗の売上減少によって家賃が回収できないなどの問題が発生しましたが、オフィス稼働率が上昇する中で、こうした問題も着実に解消されてきています。
ニューヨークの不動産価格はコロナ前に比べて上昇しているものの、こうした環境の好転を踏まえて考えると、購入価格に対する内部収益はむしろ改善されています。そのため、大部分の物件オーナーからすると価格を下げてまで売り急ぐ必要がなく、ニューヨーク不動産の底堅さに繋がっていくと見ています。
土地の希少性が高まるニューヨーク
先月25日の米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルにて、アメリカで新たに住宅を建てる土地が各地で不足しており、土地価格の上昇が続いているという記事が取り上げられました。
広大な土地を持つアメリカで土地不足というと不思議に聞こえるかもしれませんが、土地には用途の制限がありますし、既存の生活インフラへの接続性も考えないといけないため、おのずと開発できる場所は限定されてきます。一方で、アメリカは日本と違って人口の増加が続いているためおり、その住宅需要に応えるには新規開発は必要不可欠であるため、開発業者は限られた土地を巡って激しい争いを見せているようです。
こうした土地の希少性という点でいくと、ニューヨークはまさに全米トップの街と言っていいでしょう。ニューヨークはマンハッタン島を中心に広がっている都市です。島を中心にした街は世界的に見てもそうですが、土地の拡張性が極めて低いため、人口の増加と共にその希少性が増し、価格が上昇しやすい傾向にあります。
また、優秀な人材が集まるニューヨークでは、世界中の大手企業による多額の投資が雇用を次々と創出し、また新たな人材を引き付けるという好循環が生まれています。ニューヨークは過去20年間において全米で最も人口が増加した都市であり、今後も増加傾向は続くと予想されていますが、その人口の受け皿となる土地は急激に増えようがないため、これからもニューヨークの不動産は堅実なアセットとなる可能性が高いと考えられます。
最後に
ニューヨーク不動産は、“Ultra-secure real estate market”(超安全な不動産マーケット) と呼ばれています。これはニューヨークの不動産は常に安定した資産の置き場所である事を意味しています。
この機会に、皆様の投資ポートフォリオの中に安心感・安全性の高いニューヨーク不動産を組み入れることを、是非検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめのニューヨーク物件
ニューヨークの中枢「マンハッタン」の中でも、多くのオフィスビルや商業施設、飲食店などが集まり、日々活発な経済活動が行われている「ミッドタウン地区」に位置する、5階建ての一棟ものミックスユースビル(店舗と住宅の混合ビル)です。具体的には、多くの人が行き交う5番街と6番街に挟まれた一等区画に立つビルであり、「ニューヨーク近代美術館」から直線約100m、「セントラルパーク」からも同300mという希少性の高いロケーションを誇ります。
本物件の売主は日本人オーナーです。コロナ禍前には2,200万ドル(約31.9億円)で売りに出されていたため、現在の価格は非常に魅力的な水準と言えます。また、多くの空中権を持っているため(未使用空中権:約1,434㎡)、将来的に再開発もしやすい物件となっています。
住所 | 43-45 West 55th Street NYC |
---|---|
物件種別 | ミックスユースビル一棟(店舗と住宅の混合ビル) |
階数 | 5階建て(1~2階が店舗、3~5階が住宅) |
戸数 | 店舗:3ユニット(2/3稼働中)、住宅:11ユニット(7/11稼働中) |
物件価格 | 16,000,000ドル(約24億円) |
※物件価格は1USD=150.00円で円換算して表示しています。
お問い合わせ用Webフォーム、フリーダイヤル(0120-978-055)、又はE-mailにてお気軽にお問い合わせください。(土日祝を除く毎日10:00~19:00)
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投稿更新日:2022年10月07日