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2016.12.22
【コラム】内藤忍氏/ 新たな展開に入る新興国不動産投資

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新興国不動産投資は、投資対象国が広がると同時に、完成前のプレビルド物件だけではなく、完成して賃貸が始まっている中古物件も増えてきて、新たなステージに入ってきたと言えます。

マレーシア、フィリピン、タイ、カンボジアといったアジアの新興国では、完成物件が増えて、賃貸市場でテナント付けされるようになって、中古市場で売買することも可能になってきました。

例えばカンボジアのプノンペンで私が購入した物件は、テナントの入っているコンドミニアムのオーナーチェンジ物件が表面利回り8%程度で売りに出ています。カンボジアのカントリーリスクはありますが、米ドル建てで、オーナーチェンジ物件を購入できるようになってきたのは、大きな変化と言えます。

今後、ベトナムやスリランカなどでも完成物件が増えてくれば、中古マーケットが整備されてくる可能性があります。11月に視察したベトナムのホーチミンでは、既存の中古物件はあまり魅力的ではありませんでしたが、年内に引き渡しが始まる物件の中には投資対象として検討できるものも含まれています。完成したばかりの物件がマーケットに出てくれば、既存の中古物件には価格下落圧力がかかります。供給不足で高止まりしていた物件価格が適正化してくれば、投資家がさらに増えていくことになり、マーケットは活性化するでしょう。

今まで新興国で投資の中心となっていた完成前のプレビルド物件は、完成リスクがありますが、それと引き換えに将来の値上がり期待を持つことができるメリットがありました。また、資金を分割で支払うことができたので、手持ち資金に余裕のない投資家も参入していました。今後完成物件の売買のウエイトが高まれば、プレビルドの値上がり狙いの投資家から、完成物件の安定した賃料収入を狙う人たちに投資家層が変化していく可能性もあります。

また、投資対象物件の変化だけではなく、資金調達についても変化の兆しがあります。海外不動産の借入による購入は現地での資金調達金利が高く、借入比率もあまり高くできないという問題がありました。そんな中で広がってきたのが、国内の金融機関からの円資金の調達です。

私も夏から交渉を続け、今年の11月、海外不動産投資資金を国内の金融機関から借入することに成功しました。約20年の借入期間で固定金利の調達になります。金利水準も現状の金融緩和を踏まえて1%以下の低利で実現できました。金利水準が低いので、当初から返済金額の90%近くが元本返済になります。さらに、購入した現地の物件の期待利回りは10%以上を見込んでいますから、完成してテナントが入った後は、毎月のキャッシュフローも大幅なプラスになりそうです。

ウマい話のように見えますが、為替リスクと物件自体に対するリスクが当然存在します。円で借りて外貨投資しているということは、為替が円高になれば債務が膨らむことになります。また、物件が想定通りの収益を生まなければ毎月の返済金額は別の方法で返済しなければなりません。

とは言え、現金購入がスタンダードだった新興国不動産投資に借入という選択肢が生まれたことは、大きな転機だと思います。誰でも簡単に借り入れができる訳ではありませんが、この傾向はさらに広がっていくことが予想されます。

2017年以降、新興国不動産投資は、様々な面から新たな局面に入っていくことが期待できそうです。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2016年12月22日