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2016.03.14
【コラム】内藤忍氏/ 海外不動産投資の魅力は益々高まっていく

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一時期より円高が進み、海外投資に及び腰になっている投資家が増えているようですが、円高が進むということは、外貨投資をこれから始める人にとっては朗報です。

海外不動産投資の場合、投資のリターンは現地の物件価格の動きと為替レートの変動によってリターンが「掛け算で決まる」という特徴があります。日本の投資家から見れば、円安と不動産価格の上昇が同時に起これば円ベースでは大きなリターンが実現するのです。逆に円高と不動産価格の下落が重なれば、そのダメージも掛け算で影響します。

購入してから円高になれば、円ベースのリターンにはマイナス要因ですが、これから始めるのであれば、購入時の為替レートは円高であればあるほど発射台が低くなって有利といえるのです。

円高をチャンスと捉え、外貨投資を始めようと考えている人にとって、海外投資の対象は金融資産と実物資産(不動産)の2つが考えられます。ただし、金融資産は債券金利の低下と、株式市場の不安定な動きによって相対的な投資魅力が低下していると思っています。そこで注目すべきはやはり実物資産(不動産)ということになります。

実物資産には、超過収益が得やすいというメリットがある一方、金融商品のようにマーケットで、低コストかつスピーディに売買はできません。現金化するのに、時間とコストがかかる、流動性に劣る資産というデメリットがあります。

しかし一方で、取引所のような透明性の高い売買の場が無いことから、価格に歪みが生じやすいのです。そこで投資対象先を調査して吟味し、長期運用することによって「歪み」から生じた割安な投資対象を見つけていくことで高いリターンを狙うことができるメリットがあります。そこで重要なのが情報収集になります。海外不動産の情報収集は、まずは日本でマクロの分析を行い、投資する現地に行ってミクロに分析するという方法がベストだと思っています。

日本国内でも海外の投資対象国のデータは入手可能です。例えば人口増加率、経済成長率といった不動産にとって大切なデータ。さらに政治リスク、経済の安定性、治安などのリスクファクターも考慮していきます。また、現地のインフラの整備の情報も収集しておくべきです。特に新興国では、空港の整備、高速道路の拡張、鉄道の開通といった変化によって不動産の価値が大きく変わることが珍しくありません。

ミクロな情報はやはり現地に行かないと得られませんが、それは物件を見ることだけではありません。重要なのは、管理会社を確認したり、現地のデベロッパーや販売会社の話を直接聞くことにもあります。

特に管理会社に関してはできれば、現地オフィスを訪問し責任者とのミーティングを行うべきです。現地の不動産マーケットに対する知識、テナントのリーシングの戦略、管理のクオリティなど様々な情報を得ることができます。

世界経済の減速懸念や新興国からの投資資金の引き揚げといったマイナスの情報が広がり、先進国の一部の不動産マーケット以外は過熱感が薄れてきています。円高や不動産マーケットの落ち着きは、「歪み」を見つける不動産投資には良い環境だと言えます。

投資は市場が過熱し、価格が上昇している時よりも、マーケットの参加者の悲観的な見方が広がってネガティブになっている時の方が選択の幅は広がります。投資対象国を丁寧に比較し、自分の投資目的に合致した物件を探して、長期保有していけば、数年後には投資の成果をしっかりと享受することができると思います。「ピンチはチャンス」なのです。

※本コラムは、マネックス証券の創業にも参加された、資産デザイン研究所代表取締役の内藤忍氏より寄稿頂いた原稿を基に構成しています。

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投稿更新日:2016年03月14日